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「4月15日」

2012/04/15所長雑感

 4月15日は415=良い遺言にちなんで「遺言の日」だそうです。
 では良い遺言とは、どんなものでしょう。思うに相続発生後の遺族が、皆幸せを感じ感謝をして暮らしていける遺言が、究極の「良い遺言」だと思います。
 しかし、遺言はどんな内容であれ、必ず誰かの不満に繋がります。たとえ話におきかえますと、ある家族には生活力も生活基盤もしっかりしている長男と、人に好かれるがその暮らし向きが安定しない次男がいたとします。お父さんは事後のことを考え、次男に優良な収益物件を、長男には自宅を残しました。お金を生み出す価値は収益物件の方がはるかに大きいものです。これに対し長男の妻は、お義父さんの最後の世話をしてきたのも収益物件のお世話をしてきたのも全部自分たち長男家である、それに対して遺言は不公平だ、と主張します。
これは本当によくあるお話しです。一生懸命お世話をした長男家が不遇の処遇をうける遺言。これは確かに遺族が幸せになれない事例なのかもしれません。
 しかしここで、では正着の遺産分割は?と考えるとはたと気がつきます。この分割が遺族みんなにとってもっとも合理的かつ幸福であることに。残された者が幸せに暮らしていけるよう、遺言者であるお父さんは悩みに悩んで遺産分割を考えました。遺族は、その遺志を最大限に尊重し、やっぱりお父さんは遺族みんなの幸せを考え、立派に遺族の道筋をお示しになったのだと、感謝をもってこれを受け入れる。遺族がみんなでこんな風に話合うだけで、この遺言は最高の「良い遺言」となるでしょう。
 思うにつまるところ、遺言を良い遺言にするのは遺族の気持ちひとつである、そんな風に考える「遺言の日」です。