令和5年度 税制改正大綱 ―資産税②-
2023/05/29NEWS / お知らせ / 税務関係
資産課税の見直しにより、相続時精算課税制度と生前贈与加算の内容が大きく変更されました。政令要綱では、相続時精算課税制度適用時の贈与者が複数いる場合の取り扱いが示されました。その内容を表にまとめたものと具体例は、次のようになります。
(この頁では相続時精算課税制度の贈与者は全て特定贈与者に該当するものとして記載しています)
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相続時精算課税 |
暦年課税 |
基礎控除額 |
110万円/年(相続時精算課税適用者ごと※複数の贈与者がいる場合は |
110万円/年(受贈者ごと) |
相続時に加算される贈与期限 |
期限なし(相続時精算課税選択届出書を提出した年分以降) |
7年(※改正前3年) |
相続時に加算される贈与財産 |
110万円を控除した金額 |
過去3年間の贈与財産と上記の延長された4年間の贈与財産の総額から100万円を控除した金額の合計 |
(具体例)
令和×6年中に父Aから200万、母Bから300万の贈与があった場合(相続時精算課税を適用)
基礎控除額 Aからの贈与分 110万円×200万/200万+300万=44万円
Bからの贈与分 110万円×300万/200万+300万=66万円
加算額 Aからの贈与分 200万-44万=156万円(Aの相続時に加算)
Bからの贈与分 300万-66万=234万円(Bの相続時に加算)
上記のような複数の贈与者がいる場合、贈与者ごとに加算額を計算しますが、贈与者ごとの贈与財産管理の必要性も生じ、相続税計算が煩雑になる可能性があります。