
【相続税判例 総則6項の基準】
2025/09/15お知らせ / 税務関係
相続税の財産評価基本通達総則6項、通称「総則6項」をめぐる判決が相次いで出されています。
「総則6項」は、相続財産を評価するにあたってのルールを定めた法令解釈通達で、通達の定めによって評価することが、著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価するという規定です。
その適用基準は「著しく不適用」としか明記されていないため、納税者の申告内容が国税当局と対立する例が度々起きてきました。
対立が司法の場に持ち込まれるケースもあり、司法判断も個々の事情によりケースバイケースとなっています。
下記<参考資料>参照
これらの裁判例から推し量れる現行の判断基準
①時価と評価額の著しい乖離だけでは適用基準を満たさない。
②相続対策のために何らかの作為があったと認められる物証があり、
租税回避の意図が明らかになっている。
③余命告知後や相続発生直前の借入金、相続発生直後の資産売却がある。
「総則6項」に抵触する懸念がない、経済合理性のある、持続可能な財産の承継を進めていくことを検討しましょう。
<参考資料>
◆判例 「相続税更正処分等取消請求事件」
①札幌事件 最高裁判所令和2年(行ヒ)第283号
令和4年4月19日判決
裁判例結果詳細 (当局側勝訴)
②仙台薬局事件 東京高等裁判所令和6年(行コ)第36号
東京高裁令和6年8月28日判決(納税者側勝訴)