
2025年度の最低賃金
2025/10/14NEWS / お知らせ
9月5日、厚生労働省が今年度の全国の最低賃金を公表しました。
全国すべての都道府県で初めて時給1,000円を超え、全国平均は現在の1,055円から66円増加の1,121円となりました。トップは東京都の1,226円で、高知県、宮崎県、沖縄県の1,023円が最も低い金額です。例年、適用は10月から順次始まりますが、経営側に配慮して福島県などの6県は来年からの開始となります。
京都府の最低賃金は、2025年11月21日から1,122円に改正されます。昨年から64円の引き上げとなり、引き上げ幅は過去最大となりました。
この引き上げの背景としては、物価の高騰や地域間格差の是正があげられます。
今年度、各都道府県の労働局の審議会が議論する前に、国が引き上げ目安として63円から64円という金額を示していましたが、39道府県がこの目安を超えました。
少しでも高い時給のため、県境を超えて最低賃金の高い地域に人が動くという現象が起こっていることから、人材確保のためには思い切って引き上げる必要があり、目安より高い形で決着するところが出てきています。
労働者にとっては、生活改善となり望ましい動きである一方、使用者側では、人件費の負担増加が経営を圧迫することが懸念されます。
国は、特に影響を受ける中小企業や小規模事業者を対象に支援を拡充する予定です。
このうち、職場内で賃金が最も低い従業員について一定額以上の賃上げを行い、生産性の向上につながる設備投資などを行った場合に、かかった費用の一部を支援する「業務改善助成金」について、対象となる中小企業などを拡大しています。
また、その他の補助金などについても、補助率の引き上げに必要な条件を緩和して、対象を増やす方針で、最低賃金の引き上げに向けた環境を整備していくこととしています。
政府は、20年代に全国平均1,500円とする目標を掲げています。達成には、今年度以上の引き上げが必要となります。業績が好調な企業に限らず多くの企業が現実的な対応を行い、賃上げを実現できる環境となることが求められます。
厚生労働省、地域別最低賃金の全国一覧、2025年9月30日
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html