事業承継税制 平成30年度税制改正のポイント。
2018/02/20税務関係
適用要件の大幅緩和により、事業承継の際の贈与税・相続税の負担を軽減!!
日本の企業の99%を占める中小企業、その経営者の年齢層のピークは、60歳代後半に差し掛かっている現状にあります。そして、その多くの経営者が2020年頃に70歳を迎え、引退するといわれています。
しかしながら、経営者のうち約半数が後継者を未定とし、この状況が続くと、多くの価値ある企業が廃業に追い込まれ、「有形、無形の技術やノウハウの途絶がおこり、労働者の受け皿を失い、産業集積の衰退を招く」との危惧が広がっています。具体的には約650万人の雇用と、約22兆円のGDPが失われる可能性が指摘されています。
こうした現状に危機感を覚えた政府は、後継者難に苦しむ企業にとっての特効薬となることを期待して、平成30年度税制改正において事業承継税制を大幅に拡充することを決定しました。この改正は、平成21年4月に始まった事業承継税制を、10年間の期間限定で無条件定期用させるほどのインパクトになっています。
以下に、今回の改正ポイントについて、改正前と改正後の比較を図にまとめてみました。
この事業承継税制は、今後5年以内に特例承認計画を都道府県に提出し、10年以内に実際に承継を行う会社等に限り適用が許されます。
期間限定の要件大幅緩和には、問題の解決を一気に進めたい政府の意向が反映されています。100%が納税猶予及び免除される今回の改正は、価値ある自社株を多く保有する中小企業経営者にとっては事業承継の促進や見直しの絶好の機会と言えるでしょう。
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