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役員退職金の損金算入 できる?できない??

2018/04/16税務関係

課税庁は役員退職金を利益調整の手段とすることを嫌うため、損金算入には通達などにより厳しい要件を課しています。

役員退職金については、損金に算入できる2種類の方法が認められています。
その年に退職金を全額支払う「一括支給」と、総額は決定するものの、実際の支払は複数回に分けて行う「分割支給」です。
分割支給については実際に支払う年ごとだけでなく、支給を決めた初年度に全額を損金算入することも認められています。

ここで注意したいのは、役員退職金の分割払いを損金に算入するためには、退職する役員が「分掌変更」(社長から会長、会長から相談役といったケース)ではない、完全なる「引退」であるという点です。分掌変更に対しても役員退職金を支給することは可能ですが、損金に算入するには支給は一括であることが条件となります。

国税庁の実務指針として定める法人税法基本通達9-2-28・9-2-32の解釈によると分割払いの退職金を損金算入したいのなら、単なる分掌変更ではなく、本当に引退しなければなりません。
しかしながら、過去には分掌変更への退職金を分割支給して損金算入をしたことで争った判例も存在し、利益調整が目的ではなく、あくまで資金繰りに支障をきたさないよう分割支給するのは企業として当然の考えと認められたケースもあります。

参考リンク
■法人税法基本通達9-2-28 同通達9-2-32 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_02_07.htm ■判例 2015年2月26日東京地裁 https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2015/pdf/12613.pdf