固定資産の修理や改良をしたときに支出する金額が、当期費用となるか、いったん資産に計上し耐用期間にわたり償却費として徐々に費用化する(将来費用)か、判断処理に困る場面がないでしょうか?
上記判断の原則区分基準は・・・
[資本的支出(将来費用)]
その支出により固定資産の価値が増加し、または耐用年数が延長する支出。
[修 繕 費(当期費用)]
単なる維持修繕にとどまる支出。
いずれにせよ支出額が損金となりますが、節税のため早期の損金算入、つまり修繕費で処理することを考えます。課税所得の計算に影響するため、この判断基準に関して詳細な取扱いが設けられています。
現実には判断に迷うケースが多々あり、客観的な判断基準として2つの金額基準があります。
①20万円基準
支出額が20万円未満であれば、無条件で修繕費とすることができる。
(少額不追求の趣旨により、明らかに資本的支出に該当するものでも適用)
②60万円基準
資本的支出と修繕費のいずれか明らかでないものは、支出額が60万円未満なら修繕費とすることができる。(原則区分基準による判断が前提)
他にも修繕費として処理できる形式基準として
①3年基準
おおむね3年以内の周期で定期的に行われる修理・改良の支出額。
②10%基準
前期末の取得価額(帳簿価額ではない)のおおむね10%相当額以下の支出額。
③7:3基準
継続して支出額の30%(前期末の取得価額の10%相当額の方が少ないときはその額)とし、残りは資本的支出額とする。
<参考リンク>
■国税庁HP 資本的支出と修繕費
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_08.htm