中小企業の「所得拡大促進税制」見直し
2021/08/03NEWS / 税務関係
令和3年度税制改正で見直しが行われた「所得拡大促進税制」では、従来の「所得拡大促進税制」の適用要件を一部見直し、簡素化したうえで、適用期限を令和3年4月1日から同5年3月31日まで2年間延長されました。新型コロナウイルスの影響で経済が冷え込む中、雇用を増加させ、社員の給与を増やした企業に対し、税の優遇措置が設けられています。
<改正のポイント>
今回の所得拡大促進税制の見直しは、適用要件の「継続雇用」している社員という部分がなくなり、「新規に雇用」した社員も含めた、社員全体の年収総額で判定することとなりました。
<中小企業の適用要件>
(改正前)
①雇用者給与等支給額が前期を上回ること
②継続雇用者給与等支給額が前期比1.5%以上増加
税額控除:雇用者給与支給額の前期からの増額の15%
↓
(改正後)
①雇用者給与等支給額が前期比1.5%以上増加
税額控除:変更なし
改正前の要件では、継続雇用者は前事業年度、適用事業年度共に在籍していた者となるため、2年在籍していた社員の給与が増えるかどうかで判断し、前事業年度、適用事業年度の中途で採用した人は対象外となっていました。
今後は「継続雇用者」の給与等支給額の増加から、単純に「雇用者」の給与等支給額の増加に判定基準が簡素化されます。(「25%」の税額控除の上乗せ要件も同様に見直され、上記適用期限の延長があります。)
また、雇用調整助成金等の取扱いも、適用要件の判定及び控除税額の計算に使用される給与等支給額から控除することについての範囲が明確化されました。
<参考資料>