電子帳簿保存法(電子取引)
2022/01/17NEWS / 税務関係
令和4年1月1日以降、電子的記録(電子データ)による保存制度が変わります。
その中でも電子取引にかかるものは、令和3年度電子帳簿保存法改正によってデータ保存の義務化がなされ、電子データの書面での保存が認められなくなりました。(令和5年12月31日までは経過措置により従来通りの保存が可能で、事前申請や届出等の手続は不要です)
【電子取引の制度概要】
所得税法や法人税法では、相手方から受けたり相手方に交付した取引情報(注文書、見積書、請求書、領収書など)についてはその写しの保存が義務付けられています。これら取引情報を電子的方法により授受する場合は電子取引に該当し、一定の方法により保存しなければなりません。
具体的には以下のものが該当します。
・電子メールによる請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)の受領
・インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ(PDFファイル
等)又はホームページ上に表示される請求書や領収書等のスクリーンショットの利用
・電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスの利用
・クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリ
による決済データ等を活用したクラウドサービスの利用
・ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機の利用 など
【電子取引の保存要件】
①次のうちいずれかの措置(真実性の要件)
・改ざん防止のためのタイムスタンプの付与
・履歴(訂正・削除の記録)が残るシステムでの授受、保存
・改ざん防止のための事務処理規程の策定※1
②次のすべて(可視性の要件)
・ファイル名や表計算ソフトによる索引簿の作成などで、日付、金額、取引先で検索機能を確保
する※2
・ディスプレイ、プリンタ等を備え付ける
※1 事務処理規定(「電子データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」)は、国税庁HP
(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm)をご参照
ください
※2 小規模な事業者で税務職員からダウンロードの求めに応じることができる場合、検索機能は
不要
当面の2年間は電子帳簿保存法対応への準備期間とされ、保存要件を満たさない電子取引データや書面での保存が認められています。しかしその後は完全に義務化となり、要件を満たさなければ青色申告の承認取消しなどの罰則の可能性もあります。電子化対応に向けた早めの取り組みが必要です。
参考資料 国税庁HP 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm