2023年基準地価発表
2023/10/10NEWS / 税務関係
9月19日に国土交通省は2023年の基準地価を発表しました。
基準地価とは、各都道府県が不動産鑑定士の評価を踏まえて毎年7月1日時点の価格を調査し、国土交通省が9月にまとめて公表する土地の標準価格のことです。評価の対象となるのは全国の約2万地点の「基準地」です。
地価調査には、この基準地価を含め、
①公示地価(3月に公表)
②路線価 (7月に公表)
③基準地価(9月に公表)
があります。
①公示地価と②路線価は、いずれも1月1日時点での算出するものです。今回発表された③基準地価は、一部で「公示地価」と同地点での評価もあるため、1月1日時点の「公示地価」と7月1日時点の「基準地価」を比較することによって、半年ごとの評価の動向を計ることもできます。
今年の発表では、住宅地や商業地など全用途の全国平均が前年比1.0%上がり、2年連続のプラスとなりました。コロナ禍からの経済再開により、上昇率はコロナ前の2019年の0.4%を上回っています。
関西では、商業地においては大阪府と京都府、兵庫県で2年連続の上昇となり、上昇率はいずれも前年を上回りました。京都府の商業地での最高価格地点は、四条河原町の「みずほ銀行四条河原町出張所前」でした。価格は1平方メートルあたり900万円、上昇率は3.4%となっています。府内商業地の上昇率は3.0%で、観光地が多い京都市東山区は6.9%上昇するなど高い伸び率です。
住宅地でも前年のマイナスから0.5%の上昇に転じ、京都市の上昇率は1.7%と府域全体を押し上げています。市内で最も上昇率が高かったのは下京区で6.2%です。市内中心地では価格が大きく上昇しているため、若い世代が比較的安い物件を求めた結果、JRの梅小路京都西駅の近くなどで住宅需要が増しているようです。
今回の上昇はコロナ禍からの回復が大きな要因でした。これからの経済状態などで上昇率が鈍くなる可能性もあり、上昇基調を今後も維持できるかが注目されます。
参考:「関西の基準地価、大阪や京都など5府県で商業地が上昇」日本経済新聞、https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF1459X0U3A910C2000000/(2023/09/19)