【相続マメ知識 これって相続財産?】
2024/06/10NEWS / 税務関係
現代社会における様々なデジタル遺産
(基本的にスマートフォンやパソコンなどの電子端末内で完結してしまうようなもの)
電子マネー・マイル・ポイントカードのポイント・マイレージ・暗号資産(仮想通貨)・ネットバンキング口座・ネット証券口座・NFT(非代替性トークン)・SNSアカウント
相続できるもの、できないものを検証してみました。
電子マネー
電子マネーは支払方法によって以下の3つに区分されます。
①前払い型:Amazonギフト券、○○pay(事前チャージ)、Suica、WAON
②即時払い型:デビットカード
③後払い型:iD、○○pay(後払い)QUICPay
以上のうち、相続財産になるのは、①前払い型の電子マネーです。
②や③の電子マネーには財産価値はなく、相続財産にはなりません。
電子マネーの種類によって相続できない場合や、現金の払い戻しができない場合もあります。また、電子マネーの利用により貯めていたポイントやマイルは、基本的には相続できないものが多いですが、一部のポイントやマイルは相続できる可能性があります。
利用規約の確認や、各社問い合わせをしてご確認ください。
マイレージ
全日本空輸株式会社(ANA)では、マイレージ規約の中で会員の死亡による相続(承継)を認めています。本人の搭乗実績に基づいて判定される会員ステータスは継承されないものの、マイルは相続できます。
ANAのマイレージクラブ会員規約によれば、相続できる範囲は血族に限られ、単独相続(御一人を指定)のみ可能です。したがって複数人で承継することはできません。
また相続人がマイレージクラブ会員であることが条件となり被相続人の死亡日から180日以内に申請が必要です。
ポイントカード・クレジットカードは、会員の死亡時に即座に解約せず、購入履歴等の明細や利用規約をしっかり確認しましょう。
思わぬポイントが貯まっていたりするかも知れません。
暗号資産(仮想通貨)
国税庁は平成30年に暗号資産の税務上の取扱いをまとめた資料を公表しています。
そこには相続財産として課税対象となると明記されています。
デジタル遺産の特徴
①相続手続きが煩雑になりがち
基本的に郵送物が届かないため、被相続人が亡くなってからも、その存在に気付かない可能性があります。
②本人にしかわからない情報が多い
近年のスマートフォン普及の背景から、各サービスで認証パスワードが設定されており、スマートフォン自体にロックがかかっている場合、財産を調べるところまで辿り着くのが極めて困難であることが想定されます。
以上のことから、いざ相続が発生したときに、相続人が困らないように財産の状況を共有しておく機会も必要となるでしょう。
<参考資料>
◆暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和5年12月)|国税庁
◆亡くなった方のInstagramアカウント | Instagramヘルプセンター