居住用の区分所有財産の評価
2024/09/24NEWS / 税務関係
令和5年9月28日に国税庁より、「居住用の区分所有財産の評価について」が公表されました。
タワーマンションは財産評価基本通達による評価額が市場価格(時価、取引価額)よりも低くなることが多いため、相続税の節税につながりやすい状況でした。(いわゆる「タワマン節税」と呼ばれる手法です)
評価方法が見直されたことにより、物件によっては評価額が大きく上がる可能性もあります。
評価方法は従来の評価方法によって算出された価額に、評価水準に応じた「区分所有補正率」を乗じます。
区分所有補正率は、評価乖離率と評価水準によって決まるのですが算式は複雑になります。
評価乖離率は
1.築年数が新しいほど
2.建物の総階数が高いほど
3.専有部分の所在階が高いほど
4.敷地権割合が小さいほど
大きくなります。
評価乖離率が大きいほど評価水準は低くなるため、相続税評価額と時価が乖離していることとなります。乖離率が一定の水準より大きい場合の区分所有補正率は、評価乖離率×0.6となりおよそ時価の6割で評価されることとなります。
この改正は居住用マンションの1室について適用がされますので、
・マンション1棟(区分所有でない)
・事業用である
・2階建て以下の低層マンション、集合住宅(いわゆる二世帯住宅など)
・棚卸資産
は適用除外となります。
国税庁よりエクセルの計算シートも公開されています。
ご自身の資産について計算されてみてはいかがでしょうか。
B2-6 居住用の区分所有財産の評価に係る区分所有補正率の計算明細書|国税庁 (nta.go.jp)
また、「居住用の区分所有財産の評価に関するQ&A」が出ております。
改正後の評価が適用されるのかのフローチャートもついていますので、ご確認ください。