国税庁発表の平成30事務年度における法人税調査の実地件数は約99,000 件です。
そのうち、非違があった件数は約74,000 件で、約75 %が修正申告になるという結果が公表されています。
法人の実調率を単純計算すると3.2 %ですので、その率で換算すると、約30 年に1度しか税務調査の対象とならないことになります。しかしそれは、企業規模の小さな会社やほとんど活動されていない会社も含んでいますので、一般的にはおおむね3~7年に1度が、税務調査の対象になる可能性があると考えられます。
法人税調査では、好況な業種や過去の調査で不正が多かった業種などが、調査対象に選定されるケースも散見されます。
税務調査でチェックされるポイント
●売上(期間損益)
●仕入と在庫
●人件費
●その他経費
●契約書関係、印紙税
売上と経費の関係では、本来計上すべき年度とは違う年度で計上されていないかどうか、必ず税務調査でチェックされるポイントのひとつであります。
例えば2019 年12 月に商品を納品し、2020 年1 月に入金があったとします。この場合の売上計上時期は2019年12 月です。仕入や経費についても、同じようにきちんと納品時期に合わせて処理がされているか、または売上に直接対応する期間で経費計上されているかどうかが確認されます。期首期末近くの取引において、大きな金額で計上時期がズレていると必ず指摘をうけることになります。
また、売上除外や架空仕入・外注費・人件費など、虚偽記載や悪質な場合と認められると、ペナルティの大きい重加算税の対象となりますのでご留意下さい。
税務調査では、思いもかけない細かい点についても質問されますので、税理士によるサポートも有効な対策です。
日頃から売上と経費をきちんと認識して計上し、信頼のできる顧問税理士が準備と対策をしておけば、調査官の質問に対して、落ち着いてスムーズに話を進めることが出来ることでしょう。