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土地の収用による「所得税・消費税」の取扱い

2026/06/04税務関係

1.土地収用制度とは

 公共事業のために、事業用地の取得が必要となる場合に、土地収用法に基づく手続きをとることで、公共事業に必要な土地を取得できる制度をいいます。

 

2.所得税の取扱い

 収用により土地建物を譲渡した場合は、課税の特例を受けることができます。

 

 課税の特例は次の2つをいいます。

 

 (1)収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例

 この特例の適用を受けると、売った金額より買い換えた金額が多いときは所得税の課税 が将来に繰り延べられ、売った年については譲渡所得がなかったものとされます。

 売った金額より買い換えた金額が少ないときは、その差額を収入金額として譲渡所得の金額の計算を行います。

 

 次の要件全てを満たす必要があります。

 ①土地建物は固定資産であること(販売目的を除きます)。

 ②原則として、売った資産と同じ種類の資産を買い換えること。

 ③原則として、次の期間内に代わりの資産を取得すること。

 ・土地建物の収用等のあった年

 ・土地建物の収用等のあった年の前年

 ・土地建物の収用等のあった年の翌年11日から収用等のあった日以後2年を経過し

 た日までの期間

 

 (2)譲渡所得から最高 5,000万円までの特別控除を差し引く特例

 次の要件全てを満たす必要があります。

 ①土地建物は固定資産であること。

 ②その年に公共事業のために売った資産の全部について収用等に伴い代替資産を取得し

 た場合の課税の特例の適用を受けていないこと。

 ③最初に買取り等の申出があった日から6か月を経過した日までに土地建物を売ってい

 ること。

 ④公共事業の施行者から最初に買取り等の申し出を受けた者が譲渡していること。

 

 

3.消費税の取扱い

 土地収用法などの規定に基づき公共事業のため所有権を収用され、権利の取得者が対価補償金を取得した場合には、対価を得て資産の譲渡を行ったものとして、消費税の課税の対象となります。なお、土地の譲渡は非課税となります。

 

 

4.最後に

土地収用法に基づく事業認定の件数は、全国でも多くなく令和6年は95件です。近年減少傾向とはいえ20年前でもそれほど多くはありません。

 また、社会福祉法人・学校法人等に売却した場合についても要件を満たすことで適用を受けることができます。学校法人に関しては、事業認定がなくても上記の規定の適用を受けることができる場合もあります。

身近ではありませんが、不動産に関する情報の一環として知っておいて損はないと思います。

 

 

【出所】

◇国土交通省 北陸地方整備局 用地部

 https://www.hrr.mlit.go.jp/youchi/tochi.html

◇国土交通省 事業認定実績等の公表について

 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/land_expropriation/sosei_land_tk_000007.html

◇国税庁 No.3552 収用等により土地建物を売った時の特例

 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3552.htm

e-GOV法令検索 消費税法施行令

 https://laws.e-gov.go.jp/law/363CO0000000360?occasion_date=20211118

 

 

京都むらさきの総合税理士法人 サポートチーム S.T