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貸付金の評価

2026/08/06税務関係

中小企業、特に同族会社では、運転資金などが不足した際に、代表者や役員が自己資金を会社へ貸し付けるケースが少なくありません。

会社に貸し付けた資金は、貸借対照表に「役員借入金」などとして計上され、会社が返済を行うことで残高は減少していきます。しかし、慢性的な資金不足に陥っている会社では返済が進まず、借入金がさらに増加してしまうことがあります。その結果、役員借入金が数千万円から数億円規模に積み上がることも珍しくありません。

このような状況で貸付人が亡くなった場合、役員借入金は被相続人の相続財産として取り扱われ、財産の状況によっては相続税の課税対象となります。

一方で、多額の役員借入金を抱える会社は経営状況が厳しいケースも多く、実際には貸付金を回収できる可能性が低い場合があります。それにもかかわらず、相続財産として評価されることで相続税が発生する可能性があるため、不合理に感じられることもあるでしょう。

しかし、「回収できそうにないから」という理由だけで貸付金を相続財産から除外したり、評価を行わなかったりすることは適切ではありません。

貸付金の評価にあたっては、相続開始時における会社の財務状況や返済能力、事業の継続性などを総合的かつ客観的に判断する必要があります。その判断には専門的な知識が求められ、個別の事情によって結論が異なる場合もあります。

役員借入金は、回収が困難と思われる場合であっても、直ちに評価が不要となるわけではありません。相続税の申告においては、会社の財務内容や返済能力などを十分に検討したうえで、適正な評価を行うことが重要です。

役員借入金を多額に抱えている場合は、生前からその取扱いを確認し、必要に応じて専門家へ相談することで、将来の相続税負担や相続人間のトラブルを未然に防ぐことにつながります。早めの対策が、円滑な事業承継・相続対策の第一歩となるでしょう。