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【相続人がいない人の相続】

2026/07/23税務関係

亡くなった被相続人の遺産は法定相続人が相続します。

しかしながら、何らかの事情で法定相続人がいない場合もあります。

 相続人がいないケースとは

  • 配偶者、子、親、兄弟姉妹など法定相続人がいない。
  • 相続人全員が相続放棄した。
  • 相続人全員が亡くなっている。

このような場合、法律上「相続人の不存在」として扱われます。

 

<手続きの流れ>

  1. 1.相続財産清算人が選任される

 利害関係人(債権者や特別縁故者など)の申立てにより、家庭裁判所が「相続財産清算人」を選任します。清算人は、財産の調査、債務の支払い、相続人の捜索を行います。

  1. 2.相続人を探す公告

 清算人は官報で公告を行い、相続人がいれば名乗り出るよう求めます。一定期間内に相続人が現れなければ、相続人不存在が確定します。

  1. 3.債権者への支払い

 亡くなった人に借金や未払金があれば、相続財産から支払われます。

  1. 4.特別縁故者への財産分与

 相続人はいないものの、生前に特別な関係があった人は、家庭裁判所に申し立てることで財産の全部または一部を受け取れる場合があります。裁判所が事情を考慮して判断します。

   特別縁故者の例

  • 長年介護していた内縁の配偶者
  • 同居して世話をしていた人
  • 事実上の家族として生活していた人

 

 相続人もおらず、特別縁故者への分与もなかった残余財産は、最終的に国に帰属されますが、遺言がある場合には相続人がいなくても、財産を特定の人や団体に渡すことは可能です。

 自分の財産を特定の人に確実に引き継いでもらいたい場合、生前に対策を講じることが重要です。

 遺言書を作成することで、法定相続人以外の希望する人(親しい友人やお世話になった人、内縁のパートナーなど)に財産を遺贈することができます。公正証書遺言にしておけば、原本が公証人役場で保管されるため、紛失や改ざんのリスクが低くなります。

 葬儀や納骨、遺品整理などの死後の事務手続きを、信頼できる人に委任する契約(死後事務委任契約)を結んでおくことも有効です。

 また自分の将来や財産の管理についての備えとして「任意後見」と「民事信託」という方法があります。どちらも自分が元気なうちに、信頼できる人に将来を託すという点では似ていますが、何を託せるか、どのタイミングから機能するかが大きく異なります。老後の安心設計は、資産の状況や家族構成によってベストな形が変わります。司法書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

 

<参考資料>◆No.4132 相続人の範囲と法定相続分|国税庁◆知っておきたい遺言書のこと。無効にならないための書き方、残し方 | 政府広報オンライン◆任意後見制度とは(手続の流れ、費用) | 成年後見はやわかり / 厚生労働省◆民事信託を活用した人生設計 / 日本弁護士連合会

 

筆者:京都むらさきの総合税理士法人 監査担当 J.O